Q. 上製本って何ですか?
【特徴】
- 厚さ約2㎜の板紙が表紙の中に入っている
- 耐久性が高い
- 高級感がある
- 約10〜800ページの本を作ることができる
「ハードカバー」は、本文本体より一回り大きな板紙の表紙で綴じられ、本文本体を保護された本です。通常、厚さ約2㎜の板紙を表紙の中身に使用し、特殊な糊などで綴じられた本体と合体した製本方式で、上製本とも言われます。ハードカバーは耐久性が高く、高級感があり、保存したい本や記念にしたい本に適していて、制作した本を『作品』として物理的な形で残したい場合におすすめの製本方法です。
綴じの方法としては、糊を使用したあじろ綴じ※1や無線綴じ※2、または糸で縫い合わせる糸がかり綴じ※3などを使って製本します。どちらも製本強度が強く、本を大きく開いても本文紙が脱落しにくい製本になっています。ハードカバーは本文用紙の厚さにもよりますが約 10~800 ページの本を製本することができます。
- ※1 あじろ綴じ:折丁の背の部分に切り込みを入れ接着剤で固定する綴じ方
- ※2 無線綴じ:背の部分を削り、浅く切り込みを入れ(ミーリング)、接着剤で固定する綴じ方
- ※3 糸かがり綴じ:折丁を糸で縫い繋げて、糊で固定する綴じ方
*当社では品質面と価格面でバランスがご好評の無線綴じを採用しています*
「ソフトカバー」は、表紙に少し厚手の紙を使用し本文本体と一緒に、剥がれにくい糊で製本します。多くの場合はさらにPPと呼ばれる薄く透明なビニールで防水加工されたカバーをかけます。ページ数が多い本によく採用されていて、軽く携帯性に優れています。
ハードカバー(上製本)で本を作る場合、本文や表紙のデザインの他に表紙・見返し・本文などに使う用紙を選べます!
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表紙用紙を選ぶ
表紙には、コート紙やマット紙などの印刷用紙、布クロス、レザークロス、ビニールクロスなどを選ぶことができます。
絵本や写真集など表紙にイラストや写真を印刷したい場合はコート紙が向いています。光沢ある PP 加工、非光沢のマットPP加工などオプション加工を追加することでデザインや保護性にこだわることもできます。
また、高級感や重厚感を持たせたい場合には、布クロス、レザークロス、ビニールクロスを選ぶこともできます。当社では、表紙に耐久性や質感を持たせるために、光沢のあるグロス PP 加工、非光沢のマット PP 加工をおすすめしております。また、レザック 66 というエンボス調の用紙で高級、重厚感を持たせることもできます。
※現在当社では布クロス、レザークロス、ビニールクロスのお取り扱いはしておりません。
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見返し用紙を選ぶ
見返しには、色上質紙や和紙のような質感の紙など、ファンシーペーバー系用紙を選べます。見返しに使う用紙は、本文と違う色や質感の紙を使い、表紙に使う色や雰囲気と統一感を意識して選ぶと、本の見た目の印象も良くなります。
当社では、組合わせ相性が良い、色上質紙 10 種類を取り扱い見返し用に基本ラインナップしてあります。また、フランス製本の遊び紙(見返し)には透明紙 4 種類をご用意しており、オリジナル感のある 1 冊を作成する事ができます。
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本文用紙を選ぶ
本文用紙も仕上がりイメージや用途に合わせて選べます。文字の読みやすさを求めるなら上質紙やクリーム系上質紙、写真やイラストの色や彩度を表現するならコート紙、見やすさを大切にするならマット紙がおすすめです。
当社では、文字が読みやすくめくりやすい上質紙、クリーム系上質紙、コミック本のように嵩高で柔らかい風合いのモンテシオン(ラフ系)、写真やイラストをキレイに見せるコート紙、写真や文字をバランスよく見せるマットコート紙、高級感のある塗工用紙を本文用紙としてラインナップしており、用紙の厚さも複数の中からお選びいただけます。
取扱い用紙について、詳しくは以下のリンク「紙の選び方」をご覧ください。
ちょこっとハードカバー_紙の選び方
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板紙(ボール芯)
表紙の芯となる厚紙のことを板紙(ボール芯)と呼びます。耐久性や保存性が高くなります。
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チリ
チリは表紙と本文との大きさの違いのことです。当社では通常3~4mm のチリをつけ仕上げております。チリがあることで本文用紙が痛みにくく、三方のチリを均等にそろえると見栄えが良くなります。
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扉
タイトルなどを印刷したページのことです。本文と同じ用紙を用いるか、または本文の用紙より上質な紙や色の違う用紙を用いる場合もあり、本のデザイン性を高めることができます。
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ミゾ
冊子の背部分とその他部分の間にある、表紙の溝(凹み)のことです。板紙を表紙に使った本の開きをよくするために付けられます。
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スピン(しおり)
しおりとして使う平織りのひものことをスピンと呼びます。当社では6色をご用意しております。
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背
ページを綴じている厚みの部分のことです。 この「背」の幅は紙の厚さや冊子のページ数によって変わります。
ハードカバーの背には角背(平背)と丸背の2種類があります。
角背(平背)
角背(平背)は背の形が平らで、本棚に並べると折り目正しい印象になることが特徴です。ページ数が少ない小説や絵本によく使われています。
丸背
丸背は本の背に丸みがあり、ページを開きやすいことが特徴です。ページ数の多い小説や辞書などに採用されています。
当社では、角背のみを採用し1冊1冊丁寧に自社工場内にて手作り生産しております。
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